a curator's memorandum

1日1本論文を読んでメモする、論文マラソンをやっています。

論文マラソン51 藤井匡『眞板雅文の彫刻=写真』

今回は書籍『眞板雅文の彫刻=写真』。美術家・眞板雅文(1944〜2009)の作品を1970〜80年代の日本の美術動向の中で捉え、彫刻と写真を不可分なものとして考えた論考。

特に第1章の「基本原理としてのコラージュ」を興味深く読んだ。70年代の「状況」シリーズにおける作品要素を丁寧に分析。

大きく引き伸ばした写真(当時は技術的に難しかった)、その前に置く日用品、媒介となる光という要素を、様々な言説と照らし合わせて眞板の位置付けを行っている。

数は多くないが自分自身の身体を作品に介入させている場合もある。