論文マラソン186 金英那「韓国の「アンフォルメル」運動」
金英那「韓国の「アンフォルメル」運動」『韓国近代美術の百年』(神林恒道監訳、三元社、2011年)
〇アンフォルメルが韓国の美術界を席巻したのは1957-58年であり、ヨーロッパやアメリカより10年ほど、日本より1-2年遅れていた。
〇韓国のアンフォルメル運動は1965年頃に終焉を迎え、韓国の洋画はオプ・アートやネオ・ダダへと移行しはじめた。画家たちのほとんどはこの様式で制作し続けることはなかった。
〇アンフォルメルが韓国にもたらしたものは、アカデミズムに支配されたり、西洋のフォーヴィスム、キュビスムの二番煎じになることを免れ、実験的精神と芸術制作のプロセスこそが重要だとみなすコンテンポラリー・アートへと足を踏み入れた点にある。