a curator's memorandum

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論文マラソン126 大谷省吾「作品研究 山田光春旧蔵瑛九作品および資料について」

大谷省吾「作品研究 山田光春旧蔵瑛九作品および資料について」(『現代の眼』612号、2015年6・7)。

 

東京国立近代美術館平成24年度に瑛九(1911-1960)に関する作品と資料を多数収蔵した。これらは瑛九と親しく交流し、詳細な評伝『瑛九』を著した画家・山田光春の旧蔵品である。それらは彼の夫人によって宮崎県立美術館および愛知県美術館に寄贈されているが、その後も遺族のもとに残されていたものが一括して寄贈された。

〇作品としては、フォト・デッサンとして『眠りの理由』10点組1セットおよびその他12点、フォト・コラージュ10点、ペンによるデッサン42点、油彩3点などがある。大部分はこれまで展覧会に出品されていない。

瑛九は『眠りの理由』でデビューした後1937年に自由美術家協会の創立会員に迎えられるが、その第1回展にはフォト・コラージュを出品。多くはファッション誌あるいは映画雑誌に掲載された女性のモノクロ写真を切り刻んで接合したイメージである。