論文マラソン65 鬼本佳代子「福岡市美術館における高齢者対象プログラムについて~内容・意義・課題~」
鬼本佳代子「福岡市美術館における高齢者対象プログラムについて~内容・意義・課題~」(『福岡市美術館研究紀要』第9号、2021年3月)。
はじめに
博物館と「高齢者」
高齢者の博物館園利用について
美術館・博物館での高齢者向けプログラムの試み
公民館での高齢者向け「どこでも美術館」
効果と課題
◯高齢者は1970年代には美術館のボランティアは割合として少なかった。1995年の阪神淡路大震災以降、ボランティアが一般的になり、高齢者の割合も増える。
◯美術館博物館の利用者としても比較的多い。
〇福岡市美術館で実際に行っている高齢者向けプログラム「いきヨウヨウ講座」「どこでも美術館」についての報告、効果、課題をまとめている。共に最初は子ども向けのプログラムとして実施していた内容を新たに高齢者向けにアレンジ、工夫して実施している。
〇教材の選択などは明らかに子どもたちと異なっていて「五感を使う」ものが選ばれる傾向があり、また参加者の知的好奇心を満足させる工夫があると、満足度が高まる。
〇また社会的に美術館・博物館が高齢者の学びの場として求められていること、実際にプログラムがコミュニケーションの場として、さらにストレス解消など生活の質を高める場として機能していることも読み取れる。