論文マラソン145 ジョン・ソルト「第5章 キット・カット(Kit Kat)とエズ・ポ(Ez Po」
ジョン・ソルト「第5章 キット・カット(Kit Kat)とエズ・ポ(Ez Po」訳:田口哲也(『北園克衛の詩と詩学 意味のタペストリーを裁断する』思潮社、2010年)。
〇アメリカの詩人、エズラ・パウンドと北園克衛は国を隔てていたが詩誌の交換などによる交流をしていた。これが、北園が欧米諸国で知られる大きな理由であるし、またパウンドも日本、中国文学に知見があるといわれる理由でもある。しかし実際にはそれぞれお互いの言葉はあまり理解できていなかった。
〇1935年は北園にとって重要な年である。それは「VOU」を発行しはじめた年であるし、友人・中原実によって現・日本歯科大学図書館の司書の口を得て終身雇用となる。そして、この「VOU」をパウンドにも送るのである。
〇お互い「キット・カット」「エズ・ポ」と手紙では呼び合う仲であった。