a curator's memorandum

1日1本論文を読んでメモする、論文マラソンをやっています。

論文マラソン141 ジョン・ソルト「第1章 朝熊から東京へ」

ジョン・ソルト「第1章 朝熊から東京へ」訳:小川正浩、ヤリタミサコ、田口哲也(『北園克衛の詩と詩学 意味のタペストリーを裁断する』思潮社、2010年)。

 

〇第1章は北園の生まれ育った三重県朝熊の生活から始まる。本名は橋本健吉(1902~1978)。兄・橋本平八とは5歳離れている。裕福な家庭に育ち、商人になることを期待されるが反発。1919年新聞記者を目指して大学進学のために上京するも数年で中退する。

〇1922年には浪漫主義的な詩を書いていたが、本人は後年それを認めず、実質的なデビューは1924年に高名な雑誌「文章俱楽部」に掲載された「夜のメカニスト」としている。