a curator's memorandum

1日1本論文を読んでメモする、論文マラソンをやっています。

論文マラソン142 ジョン・ソルト「第2章 ダダイズムとゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム」

ジョン・ソルト「第2章 ダダイズムとゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム」訳:小川正浩、ヤリタミサコ、田口哲也(『北園克衛の詩と詩学 意味のタペストリーを裁断する』思潮社、2010年)。

 

〇1923年関東大震災がおき、一時克衛は奈良に避難。24年に再び東京に戻ってくる。画家・玉村善之助との交流からバウハウスを知る。また玉村は『高原』『エポック』など美術雑誌を発行していた。

〇玉村や野川兄弟による『ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム』が発行されると2号から克衛も編集に関わる。

〇「GGPG」には18人の男性詩人が参加したが、すべてが前衛詩人ではなかった。その中で唯一村山知義(1901-1977)だけがヨーロッパのダダイズムを直接体験している。

〇日本の前衛詩が1920年代に芽吹きはじめる。その主役は北園克衛、野川隆、村山知義萩原恭次郎である。