論文マラソン147 ジョン・ソルト「第6章 ファシズムの流砂」
ジョン・ソルト「第6章 ファシズムの流砂」訳:ヤリタミサコ、鷲尾郁、田口哲也(『北園克衛の詩と詩学 意味のタペストリーを裁断する』思潮社、2010年)。
〇この章では北園克衛の戦時中の活動を時系列に追ってゆく。この時期の詩作について、これまでほとんど論じられてこなかった。北園は1939~45年にかけておそらく7つの愛国詩を発表している。
〇1940年、北園は特高の取り調べを受けている。その後「VOU」は突然休刊。タイトルも内容も「西洋」の要素がふんだんに盛り込まれているからであろう。
〇「VOU」休刊後、北園は「新技術」31-37巻(1940-42)、「新詩論」57-77巻(1942-43)、「麦通信」1-9巻(1944-45)の編集を行っている。
〇これまでの抽象詩ではなく「郷土詩」というスタイルで詩作するようになっていった。