a curator's memorandum

1日1本論文を読んでメモする、論文マラソンをやっています。

論文マラソン77 東野芳明「空間から環境へ」

東野芳明「空間から環境へ」(『ジャパン・インテリア』5巻46号、1967年1月)。

 

◯1966年11月に銀座松屋で開催された「空間から環境へ」展。「絵画➕彫刻➕写真➕デザイン➕建築➕音楽の総合展」というサブタイトル。

◯建築物の屋内外や鑑賞者を含めた総体を「環境」と呼ぶ環境芸術が受容される契機になったといえる。

◯この展覧会でいう「環境」は「対応」「仕掛」「体験」というテーマでくくっている。

◯東野は観衆の反応に興味をもち、参加を求める心は群衆心理で暴力的だったと述べる。作家は観衆を通して、観衆は自らの参加を通して自らの荒廃した意識を発見する、という東野独自の観衆論に結びついている。