論文マラソン175 ロザリンド・E・クラウス「第7章 シェリー・レヴィーン―独身者たち」
ロザリンド・E・クラウス「第7章 シェリー・レヴィーン―独身者たち」(訳:井上康彦『独身者たち』平凡社、2018年)。
〇シェリー・レヴィーン(Sherry Levine, 1947-)はアメリカの写真家、画家であり、他の作家の作品の複製品をつくり、発表するアプロプリエイションの手法で注目される作家である。
〇1989年にレヴィーンはデュシャンの 《大ガラス》から部分的要素を取り出して、作品化する。デュシャン効果に付け加えている点として、それぞれ全体からそれぞれを切り離すという「引き算効果」が挙げられる。
〇こうした「引き算」は「欠如」といえる。もうひとつの答えは、パーツである「独身者」は量産品として生み出されるという点だといえるだろう。