論文マラソン75 西村智弘「「1995年問題」と絵画の変遷ーモダニズムとポストモダニズムの対立を超えて」
西村智弘「「1995年問題」と絵画の変遷ーモダニズムとポストモダニズムの対立を超えて」(『第1回所沢ビエンナーレ美術展』図録、所沢ビエンナーレ実行委員会、2009年)。
1. 1995年問題とは何か
2. 1990年以前の絵画
3. 1990年代前半の絵画
4. 1995年の絵画
5. 1990年代後半の絵画
◯1980年代は「ニューウェーヴ」が席巻したが漠然とした概念で、初めて日本で「ポストモダン」がいわれた。最も注目されたのはニューペインティングで、大竹伸朗、横尾忠則が挙げられる。
◯もう一つの動向として「シミュレーショニズム」がありサブカルチャーを積極的に引用した。先駆的には中原浩大、森村泰昌がいる。シミュレーショニズムの代表格としては村上隆、中村政人ら。
◯しかし90年代初頭はむしろフォーマリズム的な画家が台頭。辰野登恵子、中村一美など。
◯1995年は絵画の台頭、絵画の復権が言われた。重要な点は「具象絵画」である。ここで評価されたのは小林孝亘。また村上隆も平面の仕事に向かい始める。
◯1995年には3つの方向性の絵画。1つはフォーマリズム、2つ目はシミュレーショニズム、3つ目は具象絵画。ここにはさらに丸山直文、O JUNも挙げられる。この流れは2000年以降も続いている。