a curator's memorandum

1日1本論文を読んでメモする、論文マラソンをやっています。

論文マラソン45 小泉和子「芝山象嵌」

小泉和子「芝山象嵌」(『日本の象牙美術』図録、渋谷区立松濤美術館、1996年)。

 

1 芝山象嵌とは

2 嘱品家と職人

3 内国勧業博覧会審査評語にみる芝山象嵌

4 海外コレクションにみる芝山象嵌

5 芝山象嵌の製造と技術

6 さいごに

 

〇芝山象嵌についてはあまり多くはわかっていないが、小泉氏の論考は現状で把握できる資料を丁寧に簡潔にまとめている。以下、今回知ったことについてメモ。

〇多種多様な材料を嵌入して、図柄を立体的に表現するのは江戸時代から本阿弥光悦(1558~1637)や小川破立(1663~1747)が試みていた。芝山仙蔵もこうした流れにつらなる印籠師であった。ただ仙蔵は破立のように陶器は使わなかった。

〇輸出工芸品として高く評価された芝山細工は、ロンドンのナセル・D・ハリリコレクションが最大規模として残っている。