a curator's memorandum

1日1本論文を読んでメモする、論文マラソンをやっています。

論文マラソン24 金澤清恵「日本におけるジョルジュ・ルオーの紹介、あるいはその受容について」

金澤清恵「日本におけるジョルジュ・ルオーの紹介、あるいはその受容について」(『成城美学美術史』第17号、2012年3月)。

 

はじめに

1 ルオーの日本への紹介の端緒―1920年代後半

2 ルオーの日本への紹介の変容―1930年代から現代へ

3 福島繁太郎とルオー

4 日本のルオーコレクションについて

結び

 

 筆者の金澤氏はルオーコレクションをもつパナソニック電工汐留ミュージアムのルオー展図録の参考文献を編纂した経験をもつ。本論ではジョルジュ・ルオーが日本にどのように受容されたのかを1920年代の後半以降の美術雑誌などに掲載された黒田重太郎、里見勝蔵らの記事を参照しながら、その変遷をあとづけている。

 1958年のルオー没後に日本では遺作展が開催され、ルオーを多数所蔵していた福島コレクション展も開かれる。その後日本の美術館にルオー作品は多数納められており、それらをまとめた一覧も充実している。